会社に入社したものの、「何をやったらよいかわからない」「この仕事は自分に合わない気がする」「業務は決まっているのに、心だけが置いていかれる感覚」——それは決して珍しいことではありません。
転職を考えても、やりたいことが分からなければ動けない。結果として、悩みだけが積み重なっていきます。
この状態の原因は、「能力」ではなく自分の判断軸がないことにあります。つまり、周りに流されないために必要なのは判断材料となる世界観です。
本記事では、自分の意志を持つために欠かせない「世界観」の作り方と、その基盤となる読書習慣の確立、さらにすでに内面にある価値観を顕在化させる方法を解説します。
読み終える頃には、「何を基準に選べばよいのか」が分かり、迷いが確実に減っていくはずです。
世界観|意志を示すに必要なもの
意志とは、自分自身で物事を決められる心のことです。人が意志を示せず、迷う場合は、判断基準(判断材料)を外部に置いているからです。
- 周囲が勧めた会社だから
- 安定していると言われたから
- なんとなく良さそうだったから
これでは、働き始めてから違和感が出るのは当然です。
一方で、仮に「稼ぐため」と割り切って入社したのであれば、それも立派な意志です。重要なのは正しい選択かどうかではなく、自分で選んだかどうかなのです。
意志がある人は環境に振り回されません。仮に転職する場合でも、「逃げ」ではなく「選択」になります。まず目指すべきは、他者の基準ではなく、自分の基準で判断することです。
そのために必要なのが、判断材料となる自分自身の世界観です。
世界観とは、
「自分なりの解釈で世界を見ること」
物事をどう理解し、どう意味づけるかという自分だけの解釈です。
そして、卓越した世界観は、
「40代の自分が20代の自分を眺めるように、少し離れた位置から状況を見ている状態」
になります。
ポイントは「冷めること」ではなく、俯瞰すること。
- 今の仕事から何を学ぶか
- この経験が将来どう活きるか
- 次にどこへ向かおうか
などを自然に考えられるようになります。つまり、当事者でありながら同時に観察者でもある状態で、状況に振り回されにくくなります。この視点こそが、意志を支える土台になります。
読書
読書は世界観をつくる最もオーソドックスな方法であり、習慣化がカギです。
世界観をつくる最もオーソドックスな方法
世界観を作るうえで、最も再現性が高い方法が読書です。読書の価値は、単なる知識を得るだけではありません。「他者の人生を疑似体験できること」「自分以外の視点を知ること」にあります。自分一人の経験だけでは、どうしても視野が狭くなります。
しかし本を読むことで、
- 自分とは異なる価値観
- 多様な働き方
- 人生の選択
に触れることができます。
また読書は内省を伴うので、定期的に考える時間を確保できます。すると次第に、「こう生きてもいいのか」という選択肢が増えていきます。結果として、自分の判断材料が増えてきます。
難しく考える必要はありません。それらを可能にするのが読書量です。そのために習慣化が必要です。
習慣化
次は「読む習慣化」です。
「生活に溶け込ませる」方法と、「If-Thenプランニング」というテクニックで行う方法があります。さらに長時間読むことを狙う場合は、「スモール・ステップ」という強化方法を使います。
📖 生活に溶け込ませる
以下のような方法で習慣化をねらいます。
- 数冊を積読しておく(背表紙が読む気を誘う)
- 常に1冊持ち歩く
- 文庫本や新書から始める
- オーディオブックから始める
- とにかく1冊読了する(この読了感の心地よさが次の本にいくきっかけになる)
また5のレベルアップ版として、意地でも分厚い500ページ位の本を読むことにも挑戦してみましょう。ただ読書が苦痛になってしまう可能性があるため、自分にとって関心のない内容や興味のない本は避けます。
しかし「毒薬変じて薬となる」ということわざがあるように、挑戦する価値はあります。なぜなら、困難な本を読み切ることで得られる妙な自信が次への意欲をより高め、読書習慣を身につけるきっかけになることがあるからです。
📖 If-Thenプランニング
「もし◯◯したら、読む」と決めておくと行動が自動化されます。これは、「if-thenプランニング」という方法です。
- 帰宅したら10分読む
- 外出後、車に戻ったら5分読む
- 寝る前に必ず数ページ読む
このような、小さなルールで十分です。
このように行動を条件化すると習慣化しやすくなります。
📖 強化方法|スモール・ステップ
大きな目標(やりたいこと)を小さなタスクに分割し、そのタスクを順番にこなしていくことで、目標を実現していきます。
スモールステップは、小さなタスクから始めるので、確実に前進します。達成感を得ることも容易で、次に進む勇気や自信も生まれる効果もあります。
この効果が、大きな目標に直面した時の不安や恐れを和らげることができます。
読書の習慣の場合
- 本を開くだけ→1分読む→5分読む→10分読む
- 本を開くだけ→一日5ページ→一日5ページ読む→一日7ページ読む
このようにステップアップして、読む時間・ページ数を増やしていきます。
世界観を顕在化させる補助的方法
読書は強力ですが、時間がかかります。そこで時間短縮を狙って、読書と並行して、生活の中で思ったこと感じたこと書いていきます。時々は以下のような質問を回答してもよいでしょう。
やり方はシンプルです。いつどこでも書けるようなA6ノートやジョッターに書き出します。そして、その書き出した内容を見返します。それが読書時の内省を促すきっかけになり、ます。すると自然に、「自分はこうだ」と言える部分が増えていきます。そして、自身のぼんやりしていた世界観が「気づく」という形で輪郭を持ち始めます。
質問
- 🖊️ 過去を書き出す
どんな基準で進学・就職を決めたのかを振り返りましょう。そこに判断の癖があるかもしれません。 - 🖊️強く印象に残っていることを書き出す
嬉しかったこと、悔しかったことには、価値観が表れます。書き出して確認しましょう。 - 🖊️「好き嫌い」を書き出す
箇条書きで書き出していきます。好きなことが思いつかない場合は、反対の嫌いなことのほうが書きやすい場合があります。
※好きと嫌いは同じ関心ごとで、両方の反対語は無関心です。 - 🖊️理想を書き出す
こうありたいという理想を書いてみます。年収も重要ですが、「どんなライフスタイルで過ごしたいか」で考えるのもよいです。 - 🖊️違和感を放置しない
生活していて違和感を感じたことをメモしていきます。違和感は方向修正のサインです。無意識に感じていることを知ることができます。
まとめ
流されない人になるために
会社に入社したあとに迷うのは、決して珍しいことではありません。しかし、その原因の多くは能力不足ではなく「判断軸の不在」にあります。流されないために必要なのは、強い意志ではなく、自分なりの世界観です。
読書で視野を広げ、過去の経験を整理し、価値観を言語化していきましょう。この積み重ねが世界観を構築し、判断軸もできあがります。
そうすることで決断する意志を示すことができます。
判断軸ができれば、
- 今の会社に残る
- 転職する
- 挑戦をする
このどれもが「迷い」ではなく「選択」になります。意志がある人は、環境状況に縛られないのです。そして忘れてはいけないのは、世界観は最初から明確ではないということです。
判断軸を育てていく過程で、なんとなくあなたは進む方向に気づくでしょう。焦る必要はありません。会社で迷ったら判断基準を作ることから始めましょう。
要点
- 社内でやりたいことが分からない原因の多くは、能力不足ではなく判断軸がないこと
- 流されないためには、自分の基準となる世界観を持つことが重要
- 世界観とは、自分なりの解釈で世界を見る視点
- 世界観を作る最も再現性の高い方法は読書
- 読書習慣は、生活に溶け込ませる、If-Thenプランニング、スモール・ステップで作ることができる
- 読書と並行して、内面を書き出すことで世界観が顕在化する







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