丸山くがね氏原作の小説であるオーバーロードは、メディアミックス展開がされている超人気小説です。
24年9月に劇場で公開され、現在でもどこかでネタされています。
このオーバーロードの面白さは、キャラクター、世界観、ストーリー、そしてそれらによる考察が魅力的なわけです。さらに1点挙げるなら「他人は分からない」という視点で面白くしていることです。
この「他人は分からない」という地獄でしかないことを、小説という形で客観視させることによって、ユーモアたっぷりに描かれています。
これから読む人、再読する人、鑑賞する人は、この視点で読むと楽しいと思います。
その内容
未来世界のVRMMORPGの廃人プレイヤーである主人公が、自身のアバターのまま、拠点や各種装備、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)たちとともに異世界に転移します。かつてのプレイヤー仲間はいなくて、一人で奮闘していくことになります。
一緒に転移してきたNPCたちは、ゲームの頃と違って人と同じ心を持っていて、主人公のアインズ様を計り知れない存在と思っています。(ゲームの頃の記憶もある)
さらに頭脳明晰な側近のデミウルゴスは、「なるほど、そういうことですか」と言って、アインズ様の考えを超拡大解釈をします。
おまけに、現地人からは畏敬の存在です。
アインズ様は、優秀すぎる部下たちの考えについていけず、辻褄を合わせるのに奔走し、さらに組織の調整にも四苦八苦しています。
とはいえ、メンタルこそ凡人寄りですが、人間だった頃は営業職として優れた対人スキルを持ち、ゲーム内では廃人レベルのプレイヤーだったため、魔法の知識と運用には非常に長けています。
さらに、転移前のギルド仲間からの入れ知恵もあり、知識欲も旺盛。偶然とはいえ、結果も出しまくっています。
こうした背景が重なり、周囲からの誤解はどんどん深まり、アインズ様はさらに困難な状況へと追い込まれていくのです。
このように、キャラクターの内面とその外面とのギャップが面白いわけです。
他人とは
他人は本当に分からないものです。確かに態度といった外面を見て分かる可能性はあります。
しかし実際のところは、その人がどう感じ考えているなんて、外面からは分からないのです。そもそも、本人も分からないこともあり、「何でそうなる」と自問することもあるので、なおさらです。
昔、多重人格者の主人格と従人格のビデオメールでのやり取りの様子を、YouTubeで見ました。その中で従人格が、「あいつがそんなこと思っているとは思いもしなかった」と言っていました。同じ肉体であり、同じ脳なのに分からなかったのです。
他人を分かることができるのか?
たとえば前述の多重人格者のように、一つの身体の中に複数の人格が存在する場合、人格が融合してひとつになると、以前の人格のことを「内側から」知ることができる——そんな可能性も、もしかしたらあるのかもしれません。
しかし、現実には私たちは皆、別々の身体を持った存在です。したがって、他人の内面を完全に理解することはできないのが現実です。
それでもなお、「他人を理解したい」という欲求が、私たちを動かしてきました。それら営みが、「心理学」や「認知科学」といった学問です。
そして、その探究の成果のひとつが、近年注目されている「AI」なのかもしれません。
オーバーロードは、そんな「他人は分からない」ということを話に加えることで、異世界転移ものという王道のストーリーながら、面白おかしくしているのです。
楽しむ
オーバーロードはメディアミックスされているのでいろいろ楽しめます。
- 小説:キャラクター・世界観・ストーリーが描かれており、考察を含め細部まで楽しみたいなら小説です。2次小説の創作も盛んです。
- 漫画:大まかな形でストーリーや、キャラクターが楽しめます。
- オーディオ:補足的な音声コンテンツとして楽しむことができます。
- アニメ:デザインと声優によって魅力的になったキャラクターを中心にストーリーが展開します。
一番入り込みやすいです。OP・EDの音楽も良いです。 - その他:ゲーム、フィギュアなど、オタク文化を席巻しています。
まとめ

他人を気にすることはよくあることです。そして、そのことについて考えても答えは出ません。なぜなら、どうやっても他人の心は分からないからです。
でも、「他人が本当のところ、どう考えているかなんて分からない」という達観した気持ちを持てば、心に余裕ができ、答えという出口がない迷路から解放されます。
オーバーロードがそのきっかけになるかもしれません。去年は、劇場映画も公開され、小説も完結していません。興味を持って読んでみるのはいかがでしょうか。
以上、オーバーロードの魅力をご紹介しました。
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