「やりたいことがわからない」と感じていませんか?
就職・転職・進路選びなど、人生の分岐点では、多くの人がこの悩みに直面します。
「自己分析」や「適性診断」を試しても、どこかピンとこない…。
そんなときこそ、見直してほしいのが「職種」という視点です。
本記事では、「自己表現」という観点からやりたいことを捉え直し、自分の内面に合った「職種」の見つけ方を解説しています。
具体的には、やりたいことの本質をひも解きながら、独自に分類した“9つの自己表現”というカテゴリーを用いて職種を整理。
その中から、自分に合った職業を探すステップをわかりやすく紹介します。
この記事を読むことで、「自分に合う職種の探し方」はもちろん、「自分をどう表現するか」という根本的な自己理解も深まるはずです。
やりたいことを見つけるカギは、「自己表現」と「職種」の接点にあります。
本記事が、その第一歩となれば幸いです。
- 「やりたいことがわからない」という悩みに対し、職種という視点からアプローチ
- やりたいことと職種との関係
- 「自分のやりたいこと=職種」を探すSTEP
- 職業の公的分類(厚生労働省)と民間分類の違いと、人間の9つの表現方法を解説
- 参考になるように9つの表現方法で職種を分類
やりたいこととは
「やりたいことは何か」と問われると、多くの人は、自分の希望や願望を社会の中で実現したいと考えるものです。
それは、自分らしさや価値観といった内面を表現しながら、世の中に何らかの影響を与えたいという思いでもあります。
つまり、やりたいこととは、自己表現することで社会に働きかける行為だと言えるでしょう。
そして、その内面を最も具体的に表現できる手段の一つが「職種」なのです。
内面
内面は複雑でとらえどころがないですが、たとえば以下のようなものを指します。
- 💖 好きなこと:好きなことは、自身の内面の中でも最も具体的(物理的)に表現しやすいです。
そして、「やりたいことは好きなこと」から探すのが王道です。
そのため、まずは好きなことに合う職種を探すことをおすすめします。
- 🎨 好みや興味:好奇心が旺盛で感覚的な内面といえます。
新しく挑戦するにはよい内面で、「すきなこと」になるきっかけの内面でもあります。
- 😊 感情:喜びや悲しみ、怒り、恐怖や不安などです。
芸術・クリエイティブ系の職種が向いています。
- ⚖️ 価値観:自分の大切なもの、自分の理想や信念、人生の考え方のことです。
責任感を要求される職種が向きます。
- 🪞 自己評価やアイデンティティ:自分自身がどのような存在であるかという感覚や認識です。
自己評価を上げたり、アイデンティティを強化してくれるような職種を探すことになります。
- 🎯 将来の夢や目標:漠然としていますが、自由に夢や目標を設定できて、それに合わせた職種を探せばよいので「好きなこと」並みに融通が利きます。
- 🧠 理性:合理的・論理的な考え方を優先し、世間の情勢に合わせたり、コスパやタイパが良いという理由などで職種を決めます。
- 📜 自分の過去:経験や記憶から学んだこと。
過去を克服するために職種を決めることになります。
- 🔥 欲(衝動):何かをしたい、手に入れたいという強い気持ちを満足させてくれる職種を探します。
- 🌀 上記に該当しない内面:この内面は、上の内面に当てはまらない、自分でも気づいていない無意識的な内面や、言語化が難しい抽象的な内面を指します。
こうした内面は、当ブログ管理人の知識不足による分類漏れも含まれるため、分類不可として扱いました。
それでも、主軸となる内面を特定しないまま、直感的に職種を探すことは可能です。
このような内面を外に向けて表現し、社会に働きかけることこそが「やりたいこと」の本質です。
そして、それを最も具体的に実現できるのが「職種」なのです。
表現方法としての職種
職種とは、特定の業務や役割を通じて社会に働きかける「表現方法」です。
言い換えれば、職種とは実社会が提供している「自己表現の方法」であり、すでに社会との接点として機能している「やりたいことの具体例」でもあります。
つまり、職種を探していくことで、 👉 「どの職種が、自分の自己表現の手段となり得るか」が見えてきます。
職種を探す
やりたいことを見つけるには、「職種」を徹底的に探すことが効果的です。
多くの職種に触れ、それら一つ一つを自己表現の手段として捉えることで、自分のやりたいことに出会う可能性が高まります。
ここで大切なのは、
単に「就職・転職活動」として職を探すのではなく、
👉 「自分を最も表現できる職種は何か?」という視点で職種を探すことです。
自己表現の視点で職種を探す
- まずは、世の中にあるさまざまな職種カテゴリーを眺めてみましょう。
下記の職種(仕事)カテゴリーも参考にしてください。
そして、「これかな」と思える職種を感覚的に選んでみてください。 - その際のポイントは、自分の内面に合った職種を意識することです。
たとえば、上記で紹介した「好きなこと」「好みや興味」「理想や信念」など、何かしら自身の内面に響くものがあれば、その職種です。 - そして、その職種に、こう問いかけてみてください。
👉 「これは、自分の自己表現の手段になるだろうか?」 - この時に、自分がその職種で働いている姿を具体的にイメージしてみることが大切です。
可能であれば、職場見学をしたり、実際にその業界で働いている人の話を聞いたりするのもおすすめです。 - その上で、「これは何か違うな」と直感的に感じた職種は、潔く候補から外してしまって大丈夫です。
逆に、少しでも「やってみたいかも」「気になるな」と思えた職種があれば、それはあなたに向いている可能性があるということです。
自分の感性を信じながら、まずは広く職種を見ていくことが、「やりたいこと」に出会う第一歩です。
興味の持続性で判断する
- 少しでも興味を持てた職種があれば、徹底的に調べてみることです。
仕事内容、働き方、キャリアパス、実際に働いている人の声など、さまざまな角度から情報を集めてみましょう。 - この過程で、もし「なんとなく興味が薄れてきたな」「思っていたほどじゃないかも」というように、気持ちが冷めてしまったら、その職種は無理に候補に残す必要はありません。
潔く外してしまって大丈夫です。
また、次の職種が見つかるまで繰り返すだけです。
(この方法はより多く調べ知ることで自分に合う職種を見つける方法です) - しかし逆に、調べれば調べるほど気になって、
その職種について考える時間がどんどん増えていくようであれば、
それはあなたにとっての「本当にやりたいこと」である可能性が高いです。
一歩を踏み出す
やりたい職種が見つかったら、次に取るべき行動は就職・転職活動です。
まずは一歩を踏み出してみましょう。
たとえば、
- 📩 アルバイトやインターンに応募してみる
- 👔 副業で少しだけ始めてみる
- 🧠 その職種に就くための自己アピールやスキルの習得
などです。
そして、いざその職種に本格的に就いたときに「思っていたのと違った」といった、ギャップに悩まされるでしょう。
しかし、これがまた自分にとっての人生の課題であり、やりたいことに繋がっていきます。
仮にこれまでの過程で上手くいかない場合があっても、自分で選択した行動なので後悔することはないでしょう。
職種(仕事)カテゴリー
世の中にはどんな職種(仕事)があるのか見ていくには、厚生労働省が定める「厚生労働省編職業分類」と、民間独自の職種カテゴリーがあります。
当ブログでは、この民間で使われている職種カテゴリーの方で探していくことになります。
職業分類
公的(厚生労働省が定める「厚生労働省編職業分類」)の職業分類(カテゴリー)は、全体の網羅性を重視しており、細かく定義されています。
職業を体系的に整理し、求職者と求人者のマッチングを円滑に行うための基準として用いられています。
この分類では、職業が大分類・中分類・小分類の3段階に区分されています。
大分類
今現在は15の大分類があります。(2025年3月22日現在)
01 管理的職業 02 研究・技術の職業 03 法務・経営・文化芸術等の専門的職業 04 医療・看護・保健の職業 05 保育・教育の職業 06 事務的職業 07 販売・営業の職業 08 福祉・介護の職業 09 サービスの職業 10 警備・保安の職業 11 農林漁業の職業 12 製造・修理・塗装・製図等の職業 13 配送・輸送・機械運転の職業 14 建設・土木・電気工事の職業 15 運搬・清掃・包装・選別等の職業
中分類・小分類
各大分類の下には、中分類や小分類が設定されており、具体的な職業が詳細に分類されています。
これにより、求職者は自身の希望や経験に合った職業を探しやすくなり、求人者も適切な人材を見つけやすくなっています。
下記がその一部です。
例:サービスの職業
- 大分類:サービスの職業
- 中分類:飲食物調理の職業
- 小分類:日本料理調理人、西洋料理調理人 、中華料理調理人 、 各国料理調理人(日本・西洋・中華料理を除く)、 飲食チェーン店等調理員、 学校給食調理員、給食等調理員(学校を除く) 、 調理補助者、調理人見習 、 バーテンダー、 その他の飲食物調理の職業
- 中分類:飲食物調理の職業
- 大分類:サービスの職業
- 中分類:理容師、美容師、美容関連サービスの職業
- 小分類:理容師、 美容師、 理容師補助者、美容師補助者、 エステティシャン 、ネイリスト 、理容師、美容師、美容関連サービスの職業
- 中分類:理容師、美容師、美容関連サービスの職業
職種
この中の「小分類」は職業分類の最終階層にあたり、この小分類に含まれる職業が「職種」になります。
注意深く見ると、さらに多くの職種が存在する可能性があることに気づきます。
例えば、飲食チェーン店などの調理員には、さまざまな種類の調理人が含まれると考えられます。
また、その他の飲食物調理に関する職業も数多く存在し、新しい職種も次々と生まれていることが予想されます。
美容関連サービスの職業にも多くの職種を想像できます。
そのため、小分類を手がかりに「世の中にはどんな職種(仕事)があるのか」を探していくことになります。
民間独自の職種カテゴリー
しかし、一般的に、国が定めた職種の分類(カテゴリー)は細かく専門的すぎて、直感的に理解しづらい面もあります。
そこで本記事では、公的な分類ではなく、民間で使われている職種カテゴリーの分け方を採用します。
民間の職種カテゴリーは、感覚的にわかりやすく、実際に「自分がどんな仕事に向いていそうか」を考える際のヒントになります。
たとえば、以下のような切り口があります。
- 🎨 クリエイティブ系の職種
- 📊 学生が選ぶ人気職種ランキング
- 💰 収入別の職種ランキング
このように、さまざまな視点から職種を見ることになるので、自分に合った「自己表現の手段=やりたいこと」の発見により近づくことができるでしょう。
(ネットにはいろいろな職種カテゴリーがあります。試しに検索してみてみましょう)
そこで本記事では「9つの表現方法」というカテゴリーで職種を分けました。
職種一覧
職種を9つの表現方法でカテゴリー化した職種一覧です。
9つの表現方法
人は「何かをつくる」「何かを成し遂げる」ことを通して、自己表現をしています。
当ブログでは、このような人間の自己表現を 「9つの表現方法」 として定義します。
9つの表現
- 💪 身体:身体的なパフォーマンス・技能
- ⚙️ 行動:行動による成果や実行力
- 🫱 対人:対話・指導・奉仕・ケアなど人への関わり
- 🍳 飲食物:料理・飲料などの創造
- 🎵 音:音楽・音声など音を通じた表現
- 🎥 映像:映像作品・動画表現
- 🛠️ 物づくり:プロダクトや構造物の制作
- 🖼️ 静止画:イラスト・写真など
- ✍️ 記述言語:文章・執筆・論理表現
これらはいずれも、「何かを生み出す」「価値をつくる」行為です。
この9つの表現方法一つ一つの下に各職種を振り分けていきます。
職種の振り分け方とその理由
本記事では、職種をこの9つの表現方法で分類していきます。
その際の判断基準は、以下のような観点に基づきます。
- ✅ 最終的に何を作っているか?
- ✅ どんな価値を生み出しているか?
- ✅ その職種のゴールは何か?
この3つになります。
例えば、「医師」の場合は、手術の技術は行動であり、診察などは対人で、研究しているならば論文執筆で記述言語です。
しかし、医師は「人を助けるということ」をゴールにしているので、表現は対人になります。
このように分類していくと、それぞれの職種がどんな表現で、どんな価値を生んでいるかが見えてきます。
これが自己表現したいことに合う職種を探す手掛かりになります。
以下は、9つの表現方法でカテゴリー化された職種です。
身体
俳優、振付師、続きは準備中・・・
行動
画商、キュレーター、音楽著作権管理スタッフ、インスペクター(音楽業界での)、ローディー、コンサートプロモーター、舞台演出家、舞台監督、続きは準備中・・・
対人=対話・指導・奉仕・世話
続きは準備中・・・
音
声楽家、歌手、ミュージシャン、クラシック演奏家、オーケストラ団員、指揮者、搬送ピアニスト、ブライダルプレイヤー、ピアノ調律師、作曲家、編曲家、レコーディングプロデューサー(楽曲の完成形を「作品」として世に送り出す責任者)、ミキサー、マスタリングエンジニア、マニピュレーター、リミキサー、音響エンジニア、サウンドクリエーター、クラブDJ、続きは準備中・・・
映像
ミュージックビデオディレクター、続きは準備中・・・
物づくり
折り紙作家、彫刻家、人形作家、面打師、エディトリアルデザイナー、インダストリアルデザイナー、ブックデザイナー、額縁職人、美術修復家(本来の価値を再現する)、楽器クラフトマン、楽器リペアマン(本来の価値を再現する)、続きは準備中・・・
静止画
浮世絵師、日本画家、禅画家、洋画家、漫画家、絵本作家、イラストレータ、切り絵作家、版画家、絵付師、書家、CGデザイナー、グラフィックデザイナー、写真家、続きは準備中・・・
記述言語
写譜家、作詞家、続きは準備中・・・
まとめ
やりたいことを見つけるには「自己表現としての職種」を探すことが鍵です。
本記事では、「やりたいことがわからない」という悩みに対して、自己表現という視点から職種を見つめ直すアプローチを紹介しました。
結論として、やりたいこととは「自分の内面を社会に表現すること」であり、それを最も具体的に実現する手段が、選び抜いた職種で成し遂げていくということです。
方法をシンプルに説明すると
- 📌方法①:内面の種類を理解し、それに合った職種を見つける
- 📌方法②:9つの表現方法から職種を探していく。
又は本記事以外のカテゴリーも見ていく。
- 📌注意点:「自己表現の手段として合っているか?」という視点で職種を選ぶことが大切で、給与や待遇だけで決めるとミスマッチが起きやすくなります。
まずは気になる職種を一つ選び、自分の内面と照らし合わせてみてください。
自身に合う表現方法としての職種が見つかるかもしれません。
参考
書籍:もっとやりたい仕事がある/池上彰著・監修
サイト:厚生労働省が定める「厚生労働省編職業分類」
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