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人生の後半になり、「自分はこれがやりたかったのか」というものが偶然見つかりました。「何をいまさら」と思いながらフリーランスを目指します。趣味は、武術の形の鍛錬とやりたいことを含めたライフスタイルを考察することです。
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日記を習慣にしている人はエッセイに挑戦してみよう!|書き方の5つのポイント

日々、日記を書いている方へ——
それが、すでに自分自身の「表現」になっていることに気づいていますか?

日記は、自分自身の気持ちや出来事を素直に書き残す良い習慣です。
そこに少しだけ「伝える」視点や、思い出や気づきへの「意味づけ」を加えると、文章は自然とエッセイに変わります。

エッセイとは、自分の感じたことや考えたことを、読み手にも伝わる形で綴る文章です。
特別なルールはありません。自分自身の言葉で、その世界を描けばいいのです。

本記事では、エッセイという表現方法の魅力と、日記から無理なくステップアップできる5つの書き方のポイントをご紹介します。
日記をエッセイに変えて自己表現をしてみましょう。

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エッセイとは何か?

エッセイの語源はフランス語の「essai(試み)」で、16世紀にモンテーニュが著した「エセー(Essais)」に由来します。個人的な意見や経験といった実話をもとに、感情や思考を自由に表現する文学形式です。

日記が「自分に向けた記録」であるのに対し、エッセイは「他者に向けた表現」です。

日本の随筆(枕草子や方丈記など)とも共通する部分があります。
随筆が形式に縛られず自由に執筆するのに対し、エッセイも形式に決まりはありませんが、読者に伝わりやすい構成や表現が重視されます。

随筆とエッセイの比較

項目随筆エッセイ
起源日本の随筆は平安時代の『枕草子』や鎌倉時代の『方丈記』に起源を持つ。フランス語の「essai(試み)」が語源で、16世紀にモンテーニュの『エセー(Essais)』が始まり。
形式非常に自由で、書き手が好きなように構成することが多い。随筆ほど形式が自由ではなく、テーマや構成が比較的明確な場合が多い。
内容の幅生活の出来事や自然観察、哲学的な思索まで幅広いが、文化的背景に依存することが多い。個人的な体験、社会問題、抽象的なテーマまで幅広いが、グローバルな視点が加わることもある。
文学性日本文学的な感性(美意識や自然描写など)が色濃く反映されることが多い。論理的な構成や考察が加わり、文章の普遍性が意識されることが多い。
読者目線他者に読まれることもあるが、自分の内面的な記録としての意味も強い。他者に向けて書かれることが基本で、読者の共感や理解を意識することが多い。
随筆とエッセイ

エッセイと自己表現

日記は、感じたことや思ったことをそのまま書いて、気持ちを整理したり、思い出を残したりするものです。一方、エッセイはそれとは少し異なり、自分の体験や気持ちをもとにしながらも、「誰かに伝える」ことを意識して書く文章です。

そのときに、言葉を選んだり、伝えやすいように工夫したりすることで、自然と「自分らしさ」が表れてきます。それが、エッセイが自己表現になる理由です。

エッセイの表現力を高めるための5つのポイント

5つのポイント

表現力を高めるために、「自己の内面と向き合う・独自の視点を大切にする・読者を意識した書き方・言葉の選び方に注意する・ストーリー性を持たせる」の5つのポイントを意識することで、そのエッセイはより伝わるものになっていきます。

  • 自己の内面と向き合う

    ここは日記と同じで、エッセイでも大切なのは、自分の感情や考えを率直に表現することです。飾らず、正直な気持ちを言葉にすることで、読者の共感を生みやすくなります。
    まずは、自分の内側にある「なぜそう感じたのか」「何が心に残ったのか」といった部分に目を向けましょう。
    これがエッセイの魅力を引き出す第一歩です。
  • 独自の視点を大切にする

    他の人も体験したような出来事でも、自分なりの視点で見つめ直すことで、オリジナリティのある文章に仕上がります。何気ない日常の中にある気づきを深く掘り下げてみます。書き手の個性がにじみ出てくるでしょう。
  • 読者を意識した書き方

    エッセイは自己表現であるため、読者への伝わりやすさも重視する必要があります。たとえば「誰でも感じたことがあること」や「ちょっとした気づき」といった共感しやすいテーマにすると、読む人も自分のことのように感じやすくなります。
    また、わかりやすい構成や語り口を意識することで、読者の心に届きやすくなります。
  • 言葉の選び方に注意する

    表現力を高めるためには、言葉の響きやリズム、語感の心地よさも大切です。難しい言葉よりも、自分の感情にぴったりくる言葉を選びましょう。比喩や詩的な表現を使うことで、より印象的に伝えることもできます。
  • ストーリー性を持たせる

    読み手の興味を引き、最後まで読んでもらうには、ストーリーの流れを意識するのも有効です。起承転結のような構成を取り入れると、抽象的なテーマも親しみやすくなります。ストーリー性は必須ではありませんが、効果的な手法のひとつです。

   

✍️ 日記とエッセイの違いがわかる例文

日記は、自分がその日に体験したことや感じたことを、そのまま書きとめるものです。
一方でエッセイは、その体験をもとにして、「読み手にも伝わるように」工夫された文章です。たとえば、情景描写や感情の広がりを加えて、読んだ人が共感したり、想像をふくらませたりできるようにします。

例文①|日常の気づき

📘 日記の場合

2024年8月12日(月)夜
仕事帰りにふと思い立ったので、あの小さな神社に立ち寄った。
駅から少し離れた場所にあるせいか、人の気配は少ない。
蝉の声が響き、遠くで電車が通る音がかすかに混じた。
こういう時間が、やっぱり心にしみる。
普通の神社だけど、自分にとっては気持ちが整う場所だと、あらためて思った。

🖋️ エッセイの場合

夏の夜、都会の雑踏を抜けて小さな神社を訪れると、蝉の声と遠くの電車の音が交じり合う不思議な空気が漂っていた。
多くの人にとっては見過ごされる場所かもしれないが、私にとってそこは心を洗う場所だ。

例文②|思い出を書いたパターン

📘 日記の場合

2024年7月23日(火)午後
スーパーでスイカを見つけて、思わず買ってしまった。
切って一口食べた瞬間、子供のころのことを思い出した。
祖母の家の縁側で、兄とスイカの種を飛ばして遊んだ夏。
あの頃の太陽のまぶしさや、風のにおいまでが、一気によみがえった。
もう祖母の家はないけど、あの時間がたしかにあったことを、今日は少し思い出した。

🖋️ エッセイの場合

子供の頃、祖母の家の縁側でスイカを食べた記憶がある。
甘い果汁が口いっぱいに広がり、種を飛ばして遊んだ夏の日々。
今では祖母の家もなくなってしまったが、スーパーでスイカを買うたび、あの頃の太陽と風の匂いがよみがえる。

まとめ

日記は、自分の体験や思いをそのまま言葉にすることで、心を整理したり、日常の記録として残したりするためのものです。それに対してエッセイは、同じような体験や気持ちを出発点にしながらも、「誰かに伝えること」を意識して言葉を紡ぐ表現です。

読み手の存在を意識して言葉を選び、伝わりやすい構成や描写を工夫することで、文章は日記からエッセイへと形が変わっていきます。そこには、自分の考えや感情を「共有する」という姿勢があり、そのこと自体が立派な自己表現になります。

エッセイに正解はありません。大切なのは、自分の目で見たこと、自分の中に湧いた思いを、自分の言葉で書いてみることです。それは誰かの心に届き、共感や発見を生むことにつながります。

まずは、いつもの日記に「誰かに届けるなら、どう書くか?」という視点を少し加えてみてください。
そこから、あなたの表現が広がっていきます。

  

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